点検や検針データで傾向を把握したい
- 異常を察知するために点検や検針のデータを使いたい
- 季節変動や年ごとの変動などのトレンドを把握したい
ベテランの設備担当者が継続的に設備データを確認していると、
「あれ、いつもに比べておかしいぞ」
と、ピーンとくることがあるようです。
ただ、こうした勘はその人の経験に依存する面が大きいものです。
もし、時系列でデータを俯瞰して見ることができれば、問題や異常の予兆やトレンドは大変把握しやすくなります。
しかし、点検や検針結果を「紙」だけで管理していると時系列でデータを見ることは簡単ではありません。
「点検管理の匠」は点検や検針結果をデータベース化し、活用しやすくするためのソフトです。
データベース化することによって、過去のデータをすぐに取り出して分析に利用しやすくなります。
勘ももちろん大切ですが、データ活用できれば予兆、トレンドの把握がより容易になります。
具体的に、どのように運用するのでしょうか?
ポイント1「タブレットPCでの入力」
紙の代わりに、タブレットPC・またはスマートフォンを使ってデータを入力します。
パソコン上で作った各種測定項目、診断項目項目をタブレットPCに転送して利用するので、無線の電波が届くかどうかなどの心配をする必要はありません。
作業時には点検順で入力、バーコードを使って入力、検索して入力など状況に合わせて対応できます。
また、タブレット上で写真も撮影できます。撮影した写真は、自動的にデータベース上で管理されます。
ポイント2「結果のグラフ確認」
タブレットPCで入力したデータをデータベースで転送すると、結果をパソコン上で確認できます。
データは検索して一覧表で表示し、数値データであれば、日別・週別・月別・年別などでデータをまとめて、簡単にグラフ表示することができます。
グラフ表示すると、該当データのトレンドが非常に把握しやすくなります。
例えば、全体に上昇傾向なのか下降傾向なのか、突出して異常なデータはないのか、周期的に変動はしていないのか、こうした傾向をグラフで把握し、異常の予兆を確認しやすくします。
ポイント3「結果のファイル出力」
「点検管理の匠」上では、あくまでも簡易なグラフの出力のみを行います。
さらに詳しくデータを分析したい場合には、一覧表からデータをCSVで出力できます。
ExcelでCSVファイルを読み込んで、データを加工してください。
Excel上で必要に応じて色々な分析のための計算を行ったり、グラフを作成したりすることで、トレンドがさらに細かくとらえやすくなります。
ポイント4「保全・エネルギー計画への活用」
データを分析することで、問題を把握し、仮説が作りやすくなります。
例えば、
- トラブルが発生する前に、圧力が不安定になる傾向があるのではないか?
- 定期的に平均から突出したデータが示されているのは、特定処理の時に負荷が高いのではないか?
- 特定の時期にエネルギー使用量が急激に増えるのは、この設備が原因ではないか?
こうした仮説に基づいて、具体的などの設備の保全を行っていくのか、またどのように設備の運転を行っていくのか、早めに更新すべきなのはどの設備なのかなどを計画する材料として利用できます。